2026/01/23 14:04

いつもBarkoutsidersをご覧いただき、ありがとうございます。
2026年も2月目前となりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

私はというと、年末のHOWL002腕時計の販売、そして年始に控えたデラックストートの準備などもあり、特別な節目を感じるというより、相変わらず“ものづくりの延長線上”にいるような日常を過ごしていました。

2026年は、Barkoutsidersにとってひとつの転機となる年です。

法人化を視野に入れながら、私自身が心から好きだと思えるアイテムをさらに増やし、より深く、より楽しく、皆さまと共有できるブランドにしていきたいと考えています。

これまで、シャトル織り機で織られたキャンバス、アナログな表情を持つレザー素材、織り構造そのものを研究して生まれたナイロンNATOストラップや腕時計など、Barkoutsidersらしい“素材と構造”に向き合ったプロダクトを生み出してきました。

それらのストーリーを大切にしながら、ファッション雑貨としての広がりを、次の段階へ進めていきたい。

今回ご紹介する BS TOOL TOTE は、従来のブルーラインキャンバスとは異なるアプローチで制作した、Barkoutsidersにとって「一歩前進したプロダクト」だと確信しています。

ぜひ最後まで、このトートに込めた想いを読んでいただけたら嬉しいです。

新作BS TOOL TOTE

別注ブルーラインキャンバスのトートを、昨年1年間販売してきて、あるひとつの感覚が自分の中に残りました。
それは、自分自身のこだわりが、少し強くなりすぎているのではないかという感覚です。

確かに、ボート&トート型のキャンバストートを作らせたら、誰にも負けない自信があります。
それは長年にわたってキャンバストートと向き合い、素材、織り、仕様を突き詰めてきた結果であり、ひとつの到達点でもありました。

ただ、その「到達」に執着するあまり、果たして今、皆さまが求めているファッション性やデザイン、サイズ感にきちんと応えられているのだろうか、そんな疑問が沸々と湧いてきたのです。

これまで作ってきたトート達。

トートバッグひとつ取っても、シンプルなデザイン、ミニサイズ、レザー素材の違いなど、ニーズは実にさまざまです。
もっと自由に、もっと創造的に、ものづくりを広げていく必要があるのではないか。そんな思いが、次第に強くなっていきました。

トリムカラーの効いたトートも魅力的ですが、一方で、モノトーンで無機質、より道具に近い佇まいのトートにも、確かな需要があることも感じていました。

実際、昨年はTallサイズが特に好評で、「少し大きめのトート」という方向性が、ひとつの合致点として浮かび上がってきました。

そんな思考を巡らせている時、ふと頭に浮かんだのが、以前に自分自身が手に入れたヴィンテージの Bell System のトートバッグでした。

VintageのBellsystemのトート

Bell Systemは、かつてアメリカに存在した電話通信会社です。
その電気工事士たちが、現場まで工具を運ぶためのバッグとして、長年使い続けてきたのが、この大きなキャンバストートでした。

使い込まれることで生まれる、クタっとしたやれ感と無骨な表情。
その佇まいは、現在でもヴィンテージ市場で非常に高い人気を誇っています。

このBell Systemのトートが持つ純粋な道具としての美しさ を自分がこだわり続けてきた無骨なキャンバス生地のまま、よりシンプルで、インダストリアルな雰囲気で再構築できたら。

きっと、これまでとは違う層の方々にも楽しんでいただける、新しいBarkoutsidersのプロダクトになる。

そう確信した瞬間から、販売までのイメージは一気に立ち上がり、ワクワクしながらサンプルを作った日のことを、今でも鮮明に覚えています。

そんな流れの中で、少年のような無垢な発想から生まれたこのトートを、シンプルで分かりやすく 「BS TOOL TOTE」 と名付けました。

フォルムはそのままにサイズ感を90%に。

このトートを企画する際、最初に決めたのは「90%のサイズで忠実に作る」 という事でした。

ベースとなったBell Systemのヴィンテージトートは、幅も広く、深さもあり、本来は工具を運ぶための“現場の道具”です。

そのまま現代の生活に持ち込むには、正直なところ少し大きすぎると感じました。

そこで、Bell Systemらしいインダストリアルなスクエアフォルムはそのままに、サイズ感のみをややコンパクトに調整。

それ以外の仕様については、できる限りヴィンテージに忠実に再現することで、オリジナルの空気感を損なわない設計を目指しました。

結果として、アメカジやミリタリー好きな方はもちろん、少しきれいめなトラッドスタイルにも自然と馴染む、バランスの良いトートに仕上がったと感じています。

カラーについても、これまで主にオフホワイトのキャンバスを扱ってきた中で、「ブラックのキャンバスが欲しい」という声を多くいただいていました。

今回はナチュラルとブラックを軸に、あえて少量のみベージュカラーも加え、カラーバリエーションに広がりを持たせています。

色付きキャンバスの新たな試み

ベージュはわずか10個のみの生産ですが、ハンドルとボトムをブラックに切り替えたコンビネーション仕様とし、少し実験的で面白い仕上がりになりました。

自分の中では、どうしても「オフホワイト」のイメージが強いトートですが、今回の3色は、インダストリアルな雰囲気を保ちながら、それぞれにしっかりとした個性を持つ魅力的なバリエーションになったのではないかと思っています。

それでは BS TOOL TOTE のディテールについてご紹介します。

私のものづくりの根底にある考え方は、とてもシンプルです。

良いものを、長く使っていただくために、素材と資材にしっかりこだわること。

装飾ではなく、構造と素材で語れるものを作りたいと考えています。

■ キャンバス生地

このトートを語る上で、前提となるのが帆布生地です。

以前のブログでも触れてきましたが、US企画の織りや太番手といった考え方をベースに、この生地も アメリカンキャンバスの企画に沿って日本で織られたもの を使用しています。

高密度で織られた25OZのキャンバス生地。この生地に出会った事が「BS TOOL TOTE」を作ろうと決意したきっかけになったので、それだけ自分としては納得した生地になっています。

日本のいわゆる「号帆布」とは、織りの思想そのものが異なる生地で、厚く、硬く、非常にタフなヘビーデューティ仕様です。

使い始めは少し無骨に感じるかもしれませんが、使い込むことで繊維がほぐれ、ヴィンテージキャンバスのような表情へと変化していくよう、あらかじめ計算して選んでいます。

■ ハンドルテープ

ハンドルには、ややソフトな混綿テープを採用しました。

オリジナルのBell Systemトートには、広幅で、比較的甘く織られたソフトなテープが使われており、あの“くたっとした風合い”が特徴的です。

硬さと厚みのバランスが良い混綿テープ。

しっかりとしたコットンテープを選ぶこともできましたが、今回は見た目の再現性だけでなく、持ちやすさと手への馴染み を優先し、この素材を選びました。

テープ幅は3.8mm幅ですので、レザーハンドルもご一緒にお使いになりたい方はDX幅のハンドルをお選びください。

■ リベット

手打ちリベット


サイドに打ち込まれたリベットも、職人さんが一つひとつ手打ちで取り付けています。

VintageのBellsystemにもアンティークゴールドの金具が使われているので、あえてナチュラルとベージュにはアンティークゴールド。ブラックは色を合わせてニッケルブラックを使いました。

量産品にはない、わずかな個体差や表情の違いも含めて、クラフト感を楽しんでいただけたら嬉しいポイントです。

■ タグ・ネーム

更に今回、こだわったのがタグ類です。

ブラックのネームというのがポイント。

ブランドネームは、これまでとは異なるブラックベースのものを新たに制作し、合わせて、ヴィンテージを意識した下げ札も作りました。

ネームタグには、インダストリアルな印象を持たせるため、レーヨンのマスタード色の糸を使用し、さらにパリッとした硬化樹脂加工を施しています。

タグも製品並みの拘りを詰め込みたくなります。


また、下げ札は、かつてアメリカで貨物を運ぶ際に使われていたアテンション用の荷札をイメージソースとしています。

ヴィンテージのペーパータグが持つ少し無骨で実用的な世界観に惹かれ、それをBarkoutsidersなフィルターを通して再構築しました。

これまでのラインナップとは、一線を画すための小さなディテールではありますが、こうした細部の積み重ねこそが、Barkoutsidersのプロダクトらしさだと考えています。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
BS TOOL TOTEは、完成されたバッグというよりも、使うことで完成していく道具 だと言っても過言ではありません。

最後に、スタイルサンプルとあわせて販売方法についてご案内させてください。

まずは定番のナチュラルカラー。ベーシックなトラッドスタイルをベースに、春先をイメージして組んでみました。

コンバースのオールスターの色を拾った合わせですが、ナチュラルはとにかく汎用性が高く、スタイルを選ばず取り入れやすいカラーです。
色選びに悩まれた方には、まずはこちらをおすすめしたいと思います。

この様にブラウンハンドルと一緒に使う事でBarkoutsidersらしい世界観になると思って付けてみました。

次にブラック。こちらは王道のミリタリー×デニムスタイルで合わせています。

あえて多くを語る必要はないかもしれませんが、サービスシューズとの色合わせや、リベットのラフな表情がよく馴染み、このトートの持つ無骨さが一番伝わる組み合わせだと感じています。

正直なところ、少しラフなスタイルであれば、どんな装いにも自然と溶け込んでくれるトートだと思っています。

ぜひご自身のスタイルの中で、自由に使っていただけたら嬉しいです。

重要な価格は ¥29,700(税込)
キャンバストートにしては安くはありませんが、手が届きやすい様に3万円以内に収まるよう設定しました。

日本の産業を守りながら、この仕様・素材で作るとなると、どうしてもこれくらい価格帯にはなってしまいますが、それ以上のクオリティは感じていただけるはずです。

今回はフォーカスポップアップの予定はありませんが、2月より取扱店さまにて、順次ご覧いただけるよう準備を進めています。

また、久しぶりにBarkoutsidersのオンラインストアでもトートバッグの販売を行います。お近くの方はぜひ店頭でじっくりと、ご遠方の方はオンラインでご覧いただけたら嬉しいです。

最後に、現在調整中ではありますが、以前行っていたYouTubeも再開しようと考えています。

理由としては、いつも長いBLOGを書くのにも時間が掛かる事と出来れば商品の事以外の話もしたりコンテンツの幅を広げたいのです。

このブログでお伝えしている内容も、動画という形でもお届けできたらと思っていますので、その際はぜひご視聴いただけると嬉しいです。

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