2025/12/12 11:06

いつもBarkoutsidersをご覧いただき、ありがとうございます。


今年も早いもので、残すところあと少しとなりました。
皆さまはいかがお過ごしでしょうか?
私はというと、新しいお取り組みが増えたこともあり、本当に目まぐるしく過ぎていった一年だったと感じています。


副業でレザーのNATOストラップを縫い始めたところから始まったこのブランドも、気づけばキャンバストートの印象が強くなってきました。


現在の販売数だけ見ると「Barkoutsiders=キャンバストート」という流れができていますが、実はブランドのトートバッグ作りの原点はレザートートから始まっています。


基を辿るとこちらのヴィンテージのトートバッグの風合いに惹かれて購入したもの、古い革製品ならではの感じが出てしまい、合わせにくかった為、いっその事自分で作ってしまおうと考えたことがきっかけでした。


基になったサンプルのトートバッグ


状態が良いものも少なくなって来たし、今のファッションに合わせやすくするためにどう作り直したら良いかと考え、いい雰囲気のスエードの素材を探しに行ったことを今でも覚えています。


おかげさまで、4年ほど販売しております “OLD CARRY TOTE” も多くの方にご愛用いただいています。


今年はそのレザーを一新し、より「道具としてのトート」という原点に近い、無骨で頼もしい雰囲気へとアップデートすることができました。

そして毎年11月に Brift’H TSB 虎ノ門で開催しているフォーカスポップアップですが、今年は 12月19日・20日 の開催となります。こちらのイベントについても、合わせてご紹介できればと思っています。


「なぜレザーを変えたのか?」「どんな意図で今回のアップデートに踏み切ったのか?」

そんな疑問を持たれていた方にも、今回のBLOGが少しでも伝わる内容になれば嬉しいです。


今年、レザーを変更しようと思ったきっかけ

“OLD CARRY TOTE” は、気がつけば5年も作り続けている冬の定番トートになりました。

これまで少しずつカラーを増やし、
1. スエード×ナチュラル
2. バーガンディー
3. ブラック

の3色が揃ったことで、ラインナップとしてひとつカタチが見えてきました。


昨年2024年のTSB POPUOPの様子


色ごとに最適だと感じたレザーを選んでいたので、
バーガンディーにはオイルをたっぷり含んだイタリアンレザー、
ブラックにはマリアム社の茶芯ブラック──。


それぞれの革が持つ魅力を活かしながら作ってきたのですが、この“色ごとに別の革を使う”というスタイルには実は課題もありました。


革の価格差によって販売価格を揃えにくかったり、大量に作るときに品質のバラつきが出やすかったり。特にマリアム社の茶芯ブラックは本当に良い革なのですが、キズの多さゆえに数本を泣く泣く弾く…ということも起きていました。


そんな積み重ねから、昨年の冬頃には自然と

「茶芯のエイジングはそのままにしつつ、もっと安定したクオリティのレザーはないだろうか」

と考えることが増えていきました。


■ 新しい革との出会い

そんな時に出会ったのが、今回採用した “ハンドワックスの茶芯レザー” です。


もともとは ShoesShineGrandprix別注ハンドル のために用意された革で、初めて触れたときに「これはトートにしても絶対いい…!」と強く思ったレザーです。


見た目はホーウィン社のクロムエクセルのようなオイリーで重厚な雰囲気。
産地は革の街・姫路。アメリカンヴィンテージを思わせる企画背景も相まって、Barkoutsidersの空気にしっかり馴染んでくれました。


植物タンニンで仕上げたヌメ革に、温めたワックスを手作業で何度も擦り込む──
そんな手間のかかる工程ゆえに出る、深い色と立体感。
“茶芯レザー” らしい魅力がぎゅっと詰まっています。


今年から一新したBLACKとBURGUNDY


■ 革の特徴と、トートになった時の佇まい
• 染料染めによる透けるような奥行き
• 使うほどに表情が深まる育ち方
• ワックスのおかげでしっとりした触り心地
• 水に強く、気を遣わず日々の相棒にできる

実物を手にするとすぐに分かるのですが、この革はコシがあってしっかり自立します。
そして、表面についたキズが時間とともに“味”へと変わっていく。

まさに、持ち主と一緒に育っていく道具。
そういうトートを作りたいと思っていた自分にとって、理想的なレザーでした。


 今年の“OLD CARRY TOTE”の概要

今年の“OLD CARRY TOTE”は、ブランドの原点でもある Suede × Natural(オリジナル)に加え、ハンドワックスレザーの Black と Burgundy、そしてお客様からのご要望で少量だけ製作した Camel Brown の 全4色 で展開しています。



■ Camel Brownについて

Camel Brownは、Leather Handle Toteでも使用している セミアニリン仕上げのレザー を採用したカラーです。冬のラインナップに、やわらかなあたたかみと程よいスパイスを加えてくれる存在になりました。


■ “色選び”ではなく“革選び”のラインナップ

どのカラーも、国産レザーの中から植物タンニン仕上げを軸に、“仕上げにひとクセある”ものを選んでいます。

感覚としては、「色違い」ではなく
革そのものの個性違い
そのくらい素材へのこだわりが強いシリーズです。


■ 使うほどに魅力が増すトート

どの色を選んでいただいても、時間とともにエイジングが進み、底角から茶芯が覗いたり表面に深い艶が出てきたり。
“買った瞬間がピーク”ではなく、
使っていくほど好きになるトート を目指して作っています。


そして、何より──
スタイリングしたときの存在感が本当に良いです。

クラシカルな表情からバブアーのオイルドジャケットやウールセーターなどに合わせて頂くとマッチしやすいと感じています。

イベントでご覧いただく際は、ぜひ鏡の前で合わせてみてください。
その日の服装との馴染み方で、きっと“自分の一本”が見つかると思います。


ベーシックなコーディネートによく合います。


 エイジングレポート

ここからは私が使用している、トートのサンプルを公開していきます。

私自身が使いたくて作っている所がありますので、実際に使い込んだイメージがあるわかりやすいと思いました。


表革のトートは素材が変わってしまっている為、比較対象としてはいまいちだと思ったので、こちらではスエード×ナチュラルのエイジングをご紹介していきたいと思います!


こちらのトートは4年ほど使用してきたもので、だいぶ雰囲気が出ていますね。記憶によるとD.C.WHITEさんのオフィスに伺った時に一度雨に降られて、シミになったこともあるのですが、その後スウェードシャンプーで洗ったことでこのような風合いになりました。



ハンドルやスエードの色味が濃くなり、毛羽も出てきて、当初の綺麗な面持ちから、随分とラフな感じになってきました。


これは私の使い方が荒く、適当に床にも置いてしまうタチなので、一層コントラストが出てきて立体的なエイジングになっているのではないでしょうか?


また、使い勝手としてはざっくりとしたトートなのですが、背面にポケットが付いている事で1番使うであろうスマホやウォレットが取り出しやすくなっている所が便利です。

Barkoutsidersの代名詞ギザギザタグ。


お客様にも良く言われる事がかなり丈夫だという事。PCやドキュメントを入れても難なく使えます。ハンドルのWステッチにカシメで力が加わりやすい所をしっかりと補強している為でしょうか。


ご覧頂く通りなのですが、どこへ行くにもこのトートを使っていましたので、つい手に取ってしまいお使い頂きやすいアイテムかと思っています。


現在は新たに今年のハンドワックスレザーを育てているので、また来年にエイジングレポートをしていきたいと考えておりますので楽しみにしていて下さい。


⑤クロージング・POPUP

使い続けるほど表情が育っていくOLD CARRY TOTE。
写真だけではなかなか伝わらない“重さ・張り・革の風合い”みたいな部分を、やっぱり実物で感じていただきたくて、今年も手に取れる機会をご用意しました。


POPUPの場所は、僕にとっても思い入れの深い Brift’H 虎ノ門店 “The Shoe Shine & Bar(TSB)”。
初めて実店舗でPOPUPをしたのもこの場所で、気づけばもう3年目。こうして毎年続けられているのは、本当に皆さまのおかげだなぁと感じています。


ブランドをどこかで知ってくださり、「気になっていたけれど置いている店が少ないから…」「Barkoutsidersってどんな人がやっているんだろう?」と、虎ノ門まで足を運んでくださった方々との会話は、今でもよく覚えています。


ヘルメットバッグに付けるハンドルをご購入いただいたお客様


初めてお会いする皆様も、私と好みと似ていると感じることが多くてどこかお会いするのが初めてではないようなそんな錯覚になるんですよね。


そして “初めましての距離の縮まり方” が心地よいのは、実はこの虎ノ門TSBという場所の空気感によるところが大きいのかもしれません。
一見すると少し敷居が高そうなエリアなのですが、実際に来ていただくと、その印象がふっと変わります。


コンパクトなスペースに、イスやテーブルがほどよく置かれていて、他のお客様の視線が気にならない。
だからこそ、自然と会話が生まれたり、気軽にバッグを手に取っていただけたりする。

良い意味で“肩の力が抜ける場所”なんです。


初めてお越しいただく方でも、すっと馴染めるような、そんなあたたかいカジュアルさを感じていただけると思います。


夜のTSBは虎ノ門のイルミネーションに溶け込むような存在感。


Brift’H The Shoe Shine & Bar】

12月19日(金)11:30–23:00
12月20日(土)11:00–19:00(この日は在店します)

東京都港区西新橋2-33-2
03-6452-8839


今回は OLD CARRY TOTE をメインに、定番のハンドル、Zip-o-gage、ウォレットなども並びます。


今年はさらに“カスタムオーダー”が可能で、
実際のサンプルとスワッチを見ながら、色・質感をその場で選べる特別な2日間 です。


今のところ スエード × ナチュラル は当日そのままお持ち帰りいただけそうで、その他カラーはオーダーになりそうです。
お渡しは 2月中旬ごろ
年が明けて日常が戻ってきた頃にふっと届く、そんなタイミングだと思います。


少量生産で在庫も多くはありませんが、そのぶん一つひとつ丁寧に仕上げているので、ぜひゆっくり触っていただけたら嬉しいです。
“買うぞ!”と気合いを入れるよりも、ふらっと覗くくらいの気持ちで来てもらえたらちょうどいいと思います。


ネットだけでは分からない “質感の説得力” を、この場では一気に体感できます。
そして何より、TSBという空間の雰囲気がとても良いので、革製品や靴が好きな方にとっては確実に楽しめるイベントになると思います。

TSB店長の上別府さん。


最後に大切な事をお伝えするのを忘れていました。Brift'H TSBは靴磨きやBarをお楽しみ頂ける空間ですので、お履きの革靴をカウンターで磨いて頂けます。ご予約された方が間違いないのですが、当日も空いてれば磨いて頂けます!


好きなお洋服のお話やアイテムへのご感想・ご要望なんかも、ぜひ直接お聞かせください。
Barkoutsidersは、こうした会話から「次に何を作ろう?」が生まれるブランドです。


“来年はこんなの作ってよ”という雑談レベルのアイデアでも大歓迎です。

そして、新年に発売する“あのトート”も、少しだけお見せできるかもしれません。

皆さまにお会いできるのを、心から楽しみにしております。


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