2025/08/15 08:59

いつもBarkoutsidersをご覧頂きありがとうございます。


今回のBLOGでは、長年構想してきたナイロンNATOストラップについて、制作秘話から完成までの道のりをご紹介して行きます。

私自身ミリタリーウォッチやインポートウォッチに魅了され続けてきて、BarkoutsidersはGenuine NATO Strapというダイバーズウォッチ向けストラップからスタートしました。


それはブライドルレザーのNATOストラップでダイバーズウォッチのボリュームに負けない、使い込む事で馴染んでくる道具のようなプロダクトです。


ナイロンという素材は鋼のような丈夫な繊維といった意図からアメリカデュポン社から生まれたので、いつかGenuine NATO Strapでナイロンストラップを作りたいと言うのは必然な流れだったのかも知れません...

そして機械式腕時計というのはそれなりの年代の方ですと洋服以上に自身を表現する大切なアイテムであり、大人の男としてのステータスとして身に付けてきたものではないでしょうか?


また、腕時計というのは自身の人生やキャリアの節目に“覚悟”を持って購入して、オーバーホールをして直し、そんな自分の愛着を身に付けるいわば大人のコミュニケーションツール。


そんな大切な腕時計に付けるストラップというのはたとえナイロン素材だとしても、ただの消耗品ではなく、愛用している腕時計に新たな価値を与えてくれる物でありたいと私は考えています。

ですので世に出回っている安価なものではなく、日本が持つ技術力の価値と共に私が理想とするナイロンNATOストラップを表現していきたいと決意したのです。


そんな気持ちばかりが先行した、ナイロンNATOストラップ作りですが、これも当然白紙の状態からスタートしていきます。


Googleで検索したテープ会社さんを片っ端から当たっていき何度も断られながらも諦めずに少しづつ前へ進めていきました。

どうやら自動車工場が多い愛知県の周辺にテープを製織しているメーカーが多い事が分かりました。

テープの産地は化繊は東海、綿は広島、シルクは東北に工場があると知って面白いと思いましたね。


そして殆どのメーカーさんがテープを織る設備しかないのでヒート加工や縫製する事が出来ない、できたとしても大きな工場で膨大なロットからしか受けてくれないのです。


更に言いましょう。新自由主義とグローバリゼーションによって殆どの仕事は既に中国に行っていて日本では作らなくなっています。安い方が良いという消費行動になると日本の仕事はなくなるのです。


また、日本で作ると一般の方が考えているような値段では無くなるので、そんなNATOストラップが実際売れるのか...普通の人ならここで諦めるものなのですが、それをあえてやるのがBarkoutsidersです。

アツくなってしまいましたが、そんな中で出会った静岡にある老舗のテープメーカー様。コンタクトをさせて頂いた所、私の拙い話をお聞き頂きナイロンテープ作りがスタートしました。


私が求めたのは、海外の腕時計愛好家が愛用しているようなデザイン性と、機械式腕時計に合う硬さ、厚みを備えたナイロンテープ。


中央とサイドの織り方とトジ糸の位置を工夫する事で、印象の違いとしっかりと硬さで時計に付けた時に雰囲気が増すデザインになっています。

イメージを汲み取って頂き、糸の細さ、本数、密度などの織り企画から職人さんと設計して頂いたオリジナルのテープをご提案いただきました。


最初に完成したのはブルーグレーの色に染色した19mm幅のテープ。当初20mm幅で依頼しましたが、染色による縮みで1mm小さく仕上がりました。

ナイロンテープもジーンズの様に縮むという事と最後に熱で幅を調整する工程がある事を知り驚きました。


しかし、この幅はビンテージ時計やセイコーファースト&セカンドダイバーに対応できる為、試作販売をした所即完売。

その後、幅の縮率を安定させて20mm幅の開発に着手し、同時にNATOタイプの金具探しや裏面に縫い付ける織りネーム制作も進めました。


製造現場とのやり取りでは、仕様の反映ミスや工程のやり直しもあり、根気のいる作業でしたが、全ては理想のNATOストラップを作る為。

ようやく全仕様が揃い量産が進んでいきます。


ストーリーが長くなってしまいましたが、ここからは先日出来上がった実サンプルを元にディテールを共有していきます。


1.COYOTE

まずはコヨーテ。ミリタリーウィッチで定番のベージュ系カラーにオリーブを混ぜ合わせた絶妙な色合いを表現しました。


近年の腕時計業界に見られるビンテージテイストのトレンドに相まって付けて頂くだけでベーシックなコーディネートに程よいアクセントを与えてくれます。


ミリタリーウォッチはもちろん、パイロットなどのクロノグラフにもマッチして抜群にかっこいいと思います。男らしさと上品さが漂うそんなカラーに仕上がりました。

ビンテージ感がありながらも汎用性抜群で、NAVAL WATCH FRXA002とも好相性。

光の当たり方によってベージュ〜カーキ系の色に見えるので、時間帯によっても色味の感じ方が変わります。


背面にはオリジナル織りネームが付きます。

ミリタリーライクなコントラクトナンバー的なネームで仮にアメリカ軍がGenuine Nato Strapを使うならこんな感じなのでは?という遊び心を加えています。


肌に触れる部分ですので、ネームの織り方もザラつきを感じにくい織り方にしています。

写真では内側に付いてしまっていますが、量産ではストラップの背面に付きますので悪しからず。

こういう所に力を注いでしまうのが私のクセなのですが、腕時計を身に付ける日常でこのストーリーを感じ取って頂けると嬉しいです。


今回はジーンズのコーデで組んでみました。RESOLUTEの710にバーバリアンのラガーシャツ。

洋服に関しては普通のアイテムしか選んでいないのですが、腕周りはだいぶ雰囲気が出ているのではないでしょうか?


こちらのFRXA002は他の時計メーカーのどこにもなくNAVALWATCHオリジナルデザイン。

ボリュームのあるケースにミリタリーフェイスのブラックインデックスというデザインは見た事がない新鮮なバランスだと感じます。


ダイバーズのCケースの様なポリッシュ仕上げのケースにビンテージライクなインデックスが見事に調和されていて、一般的なダイバーズやミリタリーなどの男らしい時計はどこか苦手と感じる方に試して頂きたいモデルになっています。


2.BLACK

続きましてブラック。定番カラーではありますが、織り方をコンビネーションにさせているのでブラックのシャープな中に奥行きのある雰囲気といいますか、ベーシックだからこそちょっとした違いが大切だと考えています。


NATOストラップはデイリーで使うアイテムだからこそ柄物や色物ではなくシンプルなブラックを選びたい。でも普通のテープだと変化を感じないので、こういったオシャレな提案を待っていた方意外と多いのではないでしょうか?


今回からNATOストラップ用のメタルウェアに変更しまして、更にポリッシュ仕上げなのでNATOストラップらしさとどこに付けて行っても場を選ばないと思います。

金具も昔からずっと探してきて、この辺も安定して入手出来るようになってきた事もこのプロダクトが作れた大きなポイントでもあります。


ストラップの金具は尾錠と言いまして、もう日本で流通していないし、作れたとしても大手の仕事がいっぱいで手が回らない状態なので、こういうベーシックなものは海外でしか買えないというのが実情です。


この辺もストラップメーカーとして今後取り組んでいきたい部分ですので応援お願いします!


黒文字盤系の時計はもちろんベーシックな3針時計に付けて頂いてもかっこいいと思います。

カジュアルになりがちなナイロンストラップをブラックにする事で綺麗な印象を与える事が出来ます。

違いが分かる大人はやはりブラックですね。


SARB033も最近では革靴が買える位の値段になってきていますので、このストラップが一層似合う様になってきました。


コーデもあえてモノトーンにしてBarnstomer × Explorerのトロピカルウールのバリーパンツに合わせてみました。

ビジネスにも全然使える色ですよね。商談でこの時計をしている方がいたなら話そっちのけで時計ばかり気にしてしまいそうですが...


最後にパッケージ。今回もこのストラップの為にパッケージを作りました。


表は活版印刷にしたOLD CARRY HANDLEと同様のデザインなのですが、一目でNATOストラップだと分かる様にミリタリーウォッチのイラストを入れてみました。

テープを通して留められるようにしてストラップ自体の機能を利用したパッケージにしました。

マイクロブランドなのでデザインデーターからこういうのも全て自分で作ります。


今回のBLOGは如何でしたでしょうか?改めて作り始めた時からのストーリーや超マニアックなストラップ作りの話をしてしまいました。


ここまでたどり着くのに紆余曲折あって結構大変でしたので、ハイエンドな日本製のナイロンNATOストラップを皆様に楽しんで頂けると嬉しいです。


販売はBarkoutsidersのオンラインだけではなくて、私のような機械式腕時計がお好きそうなセレクトショップさんにも置いて頂きご覧頂きたいと思っています。

腕時計自体も街の時計屋さんで買うというより、ライフスタイル的になってきていると思っていまして、そんな価値観の方がファッションアイテムと同様に提案されている事が今の時代の在り方かなと感じています。


ですので、セレクトショップさんやビンテージウォッチを展開されている様なお店で置いてもらいたいのでお店の皆様、お願いします。


また、昨年からNAVAL WATCHとのコラボレーションもスタート致しまして、今年も年末にHOWL002がリリースされる予定ですので、一緒にこのストラップもご紹介出来ると嬉しいです。

こちらはHOWL002のデザインを元にAIに作ってもらったイメージ画像です。

大変長らくお待たせしていますので、販売時期ですよね⁉︎現在、お盆明けから量産をスタートして頂く段取りになっておりますので9月上旬から中旬に販売開始出来そうです。


今回は20mm幅のみで初版という事でちょっと数が少ないのですが早めにご覧頂けると嬉しいです。


次回は18mmと22mmと幅と色のバリエーションを増やして展開予定ですので、そちらも楽しみにしていてください。



"Genuine NATO Strap for Nylon"

20mm Width Only

Black & Coyote

¥7,700(INTAX)


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