2024/07/12 17:26

いつもBarkoutsidersをご覧頂きありがとうございます!


今日は目前に控えるBlue Lines Tote 80'sのBLOG記事になります。

私も愛するこの80年代のトートの研究をして、どのように形にしていくのか気になっていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?


私が製作の中で日々感じていた事やこのシンプルなトートを作る事の何処が難しくて、どう拘って作ってきたのか、実際に今年購入しようか考えていらっしゃる方にもお届けしたい内容です。


また多くのお店やブランドさんなどもキャンバストートを作りたいという想いがあってもなかなか実現できないハードルの高いアイテムなのですが、そういった方々の一助になってくれると嬉しいです!

近年でもいくつかのブランドから近しいアイテムが出てきてはいるものの生地の選び方や縫える工場などが限られ苦戦していると感じられます…


それは別注のボディ生地とトリムの生地、縫製工場、糸仕様、タグなど帆布という特殊分野でのお取り組み先を探してあたってみても答えが見つからずそんな暗闇の中、一歩一歩進めて行かなくてはならない。


更に正しいキャンバス生地の作り方なんて教えてくれる人なんておらず、それに対して膨大な生地の発注ロットがあったり、縫って頂く工場さんが見つからなかったり、アイテムの生産ラインを確保する事すら気の遠くなる作業に今から振り返っても二度とやりたくないと思える程、途方に暮れる思いをしてきました。

そんな中、Barkoutsidersも渦中の一人でサンプルを作っては引き返しの繰り返しで悪戦苦闘をしていました。


まずは別注生地の作りから始まりました。なぜ別注なのかといいますと耳付きの決まった幅でブルーラインの生地なんて一般的に売られていないからなんです。

日本の帆布というのは良く何号帆布とかって言われてよくご存知な方もいらっしゃるかもしれません。


急にマニアックな話になりますが、アメリカのキャンバス生地はその何号でもないのです。

何故ならタテヨコで糸の太さが異なるハイブリッド型なのです。日本の場合同じ太さの糸を何本で撚るかそれをタテもヨコも同じように使われています。

だから撚糸の本数のみをアメリカ生地と同じに揃えブルーラインを入れる位置や糸色を指定していきました。


この生地を作る時に何反もの最低のロットというのがありまして、それはトートバッグ最低300個分からしか作れないのです。


故に売れるかどうかも分からない個人やブランドの1アイテム位の気持ちで製作するにはハードルが高すぎて挑戦する気にもなれない人がいるのも無理はありません。

今回のトートに使われている生地。ブルーのラインも色を指定して染めてもらった糸を使っています。

この色もアメリカの生地が発色の良いブルーとネイビーの間のような色だったので拘ったポイントです。


そして生地はなんとかできたものの日本各地のバッグの工場を調べてはメールや電話をしてしらみつぶしに連絡を取っていったのですが、このトートならではでポストミシンという靴や袋物の修理で良く使われる特殊ミシンがないと作れないと断られこのタイミングが一番心が折れそうになった瞬間でした。


会社勤めをしていた通勤時間や休み時間をフルに活用して工場探しに当てても一向に進まず日数だけが経過する一方でした。

生産管理の頃は既にお取引のある工場さんにサンプルや量産の依頼をする事はあれど、新規で探した経験などあるはずもない事は言うまでもありません。

こちらがポストミシンの写真ですが、ポストの様に一本立ちの上で空中で縫っている様にも見えますね。

こういったミシンがあっても経験のある職人さんがいないと縫える代物ではありません。


こちらの工場の代表の方が東京にいらっしゃったタイミングにお会い出来て、自分の作りたいアイテムを直談判させて頂き、ようやくサンプルから作って頂ける事になりました。


サンプル時に工場さんからハンドルの縫い方や底のVステッチの縫い方を簡単にしてほしいとご提案があったのですが、オリジナルに近づける為に無理を言ってこの仕様を通して頂いています。


ですので、この様に生地の製織や縫製工場様には会社という後ろ盾もなく、私のような個人が急にお願いして依頼を受けて頂ける事に本当に感謝申し上げます。

長々と量産までのストーリーを語って来ましたが、ここからは出来上がった販売前のトートの内容に移りたいと思います!


今回販売させて頂く左のBlue Lines Tote 80'sと右のオリジナルトート。

如何でしょうか?ハンドルの幅、そしてボディの背の高さなど忠実に再現出来たのではないでしょうか?


80'sのトートというのは現行品よりも少しスクエア気味でハンドルが短いのですが、そのクラシカルな雰囲気を再現してみました。


ハンドルの長さとボディが連携しているので下記のように背の高さのバランスを調整して丁度良い位置にするのが難しいポイントでした。

また、脇のステッチはブルーラインを若干外しながら縫って頂きました。ここも拘ったポイントでせっかく別注で織って頂いたブルーラインが表から綺麗に見えるようにしました。

ここが商品名をBlue Lines Tote 80’sにした由縁になります。


オシャレな方が持っているキャンバストートを見ると大体サイドに青のラインが入っていて、つい見てしまいます。そういった服好きならではの視点を大切にしたいんですよね。


こう見るととても分かりやすいと思うのですが、日本の職人さんの縫製は本当にキレイで見事の一言です。

其々のステッチ1本1本を手縫っているとは思えない程の仕上がりで高品質な日本のプロダクトという印象を受けます。

良いことばかり書いていますので、強いて古いトートとの相違点をお伝えしますと生地自体がややソフトな所です。それはシャトル生地で糊付けはしてあってもパラフィン加工は施していない事にあります。


理由としてはビジネスだったり普段のファッションであったりお客様によってそのビンテージ感が販売する商品としてはクセが出過ぎる恐れがあった為です。


パラフィンは本来防水性を高める為に生地に樹脂加工をするものですが今回それを施していないので、キャンバス本来の白さがあり綺麗な印象です。


古着好きの方でビンテージ感やハリを出すパラフィン加工をしたい方にはフェルラーベンから出ているグリーンランドワックスを塗ってみたら表面生地が硬くなり個人的には気に入ったのでお好みの方は是非試して見て下さい!

最後にお店さんでの販売に向けてフラッシャーもお作り致しました!


普通の下げ札でも良かったのですが、私が手で書いたイラストを入れて、BarkoutsidersのBlue Lines Tote 80sと一目で分かるようにしたかったのでこの形にしました。


そして先ほどご覧頂いた職人さんの想いを引き継いで、一人一人の方へ手で縫っているという気持ちを表現しました!


実はこのフラッシャーも活版印刷で印刷されていてMadeinjapan。こういう細かい所も納得いくものにしたいという私なり拘りを貫きました!

ここまでご覧頂けている方はかなりご興味のある方位だと思っていますがw、Blue Lines Tote 80sの製作秘話は如何でしたでしょうか?


この3年間皆様にお届けすることを楽しみにしていましたので凝縮した内容になっていると思いますが、長々とした文章をお読み頂きありがとうございます!


まだまだここで話していないこともあるので、私に直接聞いて下さい。

手にされた方はこちらのトートに込めた想いや日本製ならではのクオリティを実感して頂けると嬉しいです!

是非、皆様からのご感想もお待ちしております!


改めてBlue Lines Tote 80”sはZABOUさんのPOPUPを皮切りに先行販売させて頂き、8/1からBarkoutsidersのオンラインでも販売させて頂きますので宜しくお願い致します!


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