2023/06/24 21:51

いつもBarkoutsidersをご覧頂きましてありがとうございます。


今日は蒸し暑いこの季節から使いたいキャンバストートのお話。

中でも私が大好きな古いL.L.beanのボートアンドトートにフォーカスした内容になっています!



リーバイス 501辺りは王道な古着だけあって、遍歴に対してのディテールの変化などを詳しく書かれている情報が沢山ありますが、それに比べるとボートアンドトートを体系的に書いてあるものは少ない...


私も情報がない中で80sのボートアンドトートを少しづつ集めていき、現物頼りに調べてきた内容になります。そしてモノ好きな私ならではの注釈を加えながら解説していきたいと思います!


こちらは80sのトートの比較がメインにはなるのですが、90sまでの流れが分かる事によって古いトートの選別のポイントを理解する事が出来ると思いますので是非ご覧頂けると嬉しいです!



それではまず問題です。

こちらの2つの80sのトートどちらが古いもので、新しい物か分かりますでしょうか?

因みにどちらもサイドにブルーのラインが2本入ったものになります。


恐らくハンドルの幅やを頼りに判断する方が多いと思うのですが、如何でしょうか?

それでは答え合わせしていきましょう!


実はハンドルの幅以外にもこの年代を判断する材料がいくつかあるんです。

ポイントは下記の4点です。

1.タグ

2.サイドのブルーラインの本数

3.ボトム生地の仮押さえステッチ

4.ハンドル幅とボディの高さ


1.タグ


まずはタグです。
これは右のトートに付いている有名なギザギザタグってやつですね。
80sを代表するタグで生地の色がそもそもエイジングしているかのような茶色ぽくて2色の織りが入っています。

因みにこのタグは織りネームと言いまして、織り方がいくつかあるのですが、こちらはシャトル織りでサイドに耳があって裏を見ると横に糸が通っている形で作られています。

ですのでタグが縦にテープ状に織られて、1つ1つをギザギザのハサミか何かでカットして行く訳ですので、直線的にヒートカットして作るより非効率で手間が掛かります。


そして左のトートについている通称2色タグってやつですね。

まずよく見て欲しい所が生地の色です。
書いてある文言は同じなのですが、茶色の生地からだいぶ白っぽくなりましたね。
そしてギザギザから直線に変わりました。

恐らくこの頃にカットする技術などが確立してきて真っ直ぐ切った方が効率的で量産に向いていると判断したのでしょう。
こちらのタグは90sの個体にも付いているので、80s後期から90s初期のトートに付いていると予測出来ます。

個人的には生地の色やFREEPORT,MAINEの文字の雰囲気やギザギザの方が出ていて好きです。

2.サイドのブルーラインの本数


ボディのサイドに入っているブルーのラインです。
80sのものは2本入っているものが基本ですが、70sに近づくと1本になるのはご存知でしょうか?

左右の位置は変えていません。
2つともサイドに2本のブルーラインがありますね。

このタイプが一般的に80sと認識している方が多いと思うのですが、確かに2本入っている物が多いので長い期間作っていたものだと思います。

このブルーのラインはボディのキャンバス生地に製織時に生地に縦糸として織られるもので、ハンドル付けやサイドを縫い合わせるガイドのラインとして入っています。

LANDSENDなどのメーカーも同じ様な時期にトートを作っていて仕様が似ている為、きっと生地を作っているメーカーは同じだと思います。

さてこちらはどうでしょうか?


こちらは私の所有しているLargeのGreenです。
ギザギザの2色タグが中央に付いていますが、サイドは1本ですね。

以前私は80sから2本→1本→なしと減っていくものだと思っていたのですが、実の所は70sから1本→80sに2本になり90sにかけてなくなるようです。

70s多分サイドのラインをガイドにしたら縫いやすいんじゃないかという感じで1本ラインで作ってみた。
80sそして仕様的に2本ステッチが入るのだから2本にしてみた。
90s最後に世界的に人気が出てきて量産が増えてきてもうガイドがなくても作れる体制になってやめた。
想像するとそんなノリ感じだと思いますw

リーバイスの赤耳は80年代初期になくなるので、L.L.Beanは10年後位までこの青耳といいますか、サイドにブルーラインのものを作っています。

因みに一つ古くなると、2色タグのままハンドルの横に付く俗にいう横タグになります。


3. ボトム生地の仮押さえステッチ

次に底に付いているトリムのGreenの生地とキャンバス生地に縫い合わせる白いステッチの前に細い糸の事です。
右のトートは同色の緑の糸で押さえてからハンドル付けと同じ白い糸で縫われているのに対して左は白い糸のみです。

ここも当然効率を考えて無くしているものなのですが、一本これが入るか入らないかで気持ちが変わりますw


縫製をしていると良くわかるんですが、ミシンの送りで縫いズレたり、生地の端に上手くステッチをのせられない事があります。

量産でのそれを解消する為に一度同色の細い糸で押さえからステッチをかけようというなんともアメリカ的な発想からのディテールです。

ギザギザのタグが付いている個体にはこれが付いている事が多いのですが、このステッチが経年で褪色していい雰囲気を醸してくれるんです。


左のトートではなくなります。

こちらもタグ同様に効率を考えていたり、糸や製造工程を1つ減らす事になります。

私はあった方が好きなのですが、どうでしょうか?


4.ハンドル幅とボディの高さ

よく見ると、右の方がハンドル幅が狭くて左の方が太いですよね。そしてボディの高さも少し高くなるのが分かりますでしょうか?

あくまで私の予想として聞いてもらいたいのですが、ハンドルの幅をとった方がシンプルに持ちやすくなりますし、深くした方が物が落ちたりしないですし、バランスを一新したのもこのタイミングだったのではないでしょうか?

私はこの変更部分は作り手の使いやすくしたいという意向を感じますし、どちらの方が良いか難しい所です。

答え合わせを忘れていましたね。
右が古い方で、左が新しい方でした!

最後に私なりのボートアンドトートの楽しみ方を3つご紹介にして終わりたいと思います!


一つ目はレザーハンドルを付けてトートと一緒にエイジングを楽しむ。これはもういいですよねw

ですが、このイタリアンバケッタを使用したハンドルは常に手に触れる部分ですので、エイジングが感じられ、ツヤが出てくると共に感触も持ちやすく柔らかくなってくるので、ボートアンドトートをこよなく愛する私のならではのプロダクトです!

ハンドル部分は使い込んでいくとボロボロになっていきますので是非、OLDMANS HANDLEは一度使ってみて欲しいアイテムです。


二つ目はバンダナを巻くいてアクセントをつける。
こちらは昔からトラッドなファッションの基本技ですが、改めてビンテージの柄のパターンとファッションのコーデと合わせるとオシャレ感が出ます。

高級な革のバッグにエルメスのスカーフを巻いているあれと同じ様な感じですが、古いビンテージのバンダナは古くなるとサイズも大きくなるのでオススメです!

私は好みの柄の物を付けて楽しんでいます。


三つ目は収納を付ける。
これはオチというか一つのアイデア。

こちらのイーグルクリークやオーバーランドなどのアウトドアブランドは沢山の収納バッグをリリースしていました。

別にトートにつける為の物ではなく、トラベル用のバッグなのですがポケットがないこの様なバッグと組み合わせても良いのではないでしょうか?
Barkoutsidesで作って欲しいと言われそうで怖い提案ですがw

如何だったでしょうか?
私の予測で書いている部分も多い為、当時を知る方は是非教えて下さい!すぐに訂正させて頂きます。

でも書いていてなんだか永久保存版的な内容になりましたね!
リーバイスもそうですがプロダクトというのは技術の革新と共に歩んでいるという事が理解出来る内容になったのではないでしょうか?

今回の内容を完全に意識された私のが企画するキャンバストートもようやく来年にはリリース出来そうです。
長い年月が掛かりましたが是非楽しみに待っていて下さい!




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